妊娠するとお腹の中の胎児はお母さんの体から栄養素をもらって大きくなります。そのため、お母さんが栄養不足だと、胎児にしっかりと栄養が行き届かず、障害や早産などのリスクが高まります。そんな中、妊婦さんが摂取する栄養素として重要視されているのが「葉酸」です。
葉酸を含む食品と葉酸の主な働き
葉酸は緑黄色野菜に多く含まれるビタミンB群です。多く含まれる野菜は、枝豆やパセリ、ほうれん草、アスパラガスなど。主な働きは、DNAを含む核酸の合成、細胞分裂の促進、赤血球の生成、造血作用です。
妊娠周期で見る妊婦さんと赤ちゃんへの葉酸の働き
葉酸は胎児の成長に欠かせない成分であり、妊娠周期によって働きも変わってきます。
●妊娠初期
胎児が細胞分裂を繰り返して成長している時期です。この時期は正常にDNAの合成を行って細胞分裂をすることが何よりも大切であり、葉酸が不足してこれらがうまくいかないと先天性の異常をきたしたり、奇形などが起こる場合もあります。特に妊娠初期は妊娠自体に気付かない人もいるので、妊娠を望んでいる人は、積極的に葉酸を摂ることをおすすめします。
●妊娠中期~後期
胎児が安定してくる中期から後期では、母体からたくさんの酸素や栄養が胎児に送られます。そこで葉酸の造血効果が役に立ってきます。妊婦は貧血になりやすいので、胎児に必要な健康な血液が足りなくなってしまわないように、葉酸を積極的に摂取することが大切です。
●産後
出産したからといって葉酸が必要なくなるわけではありません。実はお母さんの母乳は血液から作られているのです。つまり、出産後も赤ちゃんの成長には葉酸は欠かせないというわけです。お母さんが葉酸不足になると、赤ちゃんが健康に成長していけなくなります。たとえば、成長が遅れてしまったり、貧血に陥ったりするかもしれません。
妊娠中・授乳中に理想的な葉酸の摂取量
厚生労働省では、日本人の女性のほとんどの人が充足している量(推奨量)を240μgと設定しています。けれども、妊婦の場合は、推奨量にさらに付加量240 μg/日を上乗せし、480μgの量を摂ることが理想的だとされています。
また、授乳婦は推奨量に付加量100 μg/日を上乗せし、340μgの量が勧められています。
葉酸を効率よく摂取するには?
水溶性のビタミンである葉酸は水や熱に弱いため、火を通したり、茹でたりすることで壊れてしまいます。ですから、食事だけで480μgの葉酸を摂取するのは非常に難しいのが現実です。葉酸を不足させないためにも、ぜひ青汁を利用しましょう。もちろん、商品によってその量は異なりますが、青汁には葉酸が豊富に含まれているので、1日2杯飲めば、十分な量を補えるはずです。バランスのよい食事と青汁で元気で健康な赤ちゃんに会えるはずです。