年齢を重ねてくると若い頃のように食欲が無くなっていくことが多く、これは老化現象の一種としてあります。食欲は活動量の低下、内臓の衰え、摂食中枢が上手く作用しなくなることで無くなることが考えられますが、食が進まないと生きていく上で必要な成分を効率的に摂取することはできなくなるため、生命維持の観点から見てもあまりよくありません。
そのため、最低限の栄養分は毎日確保する必要がありますが、青汁を毎日一杯飲むと一日に摂らないといけない野菜の栄養分を補うことができるため、食欲がない時のカラダのサポート役にうってつけです。
できれば苦みが少ない液体タイプの青汁をおすすめしますが、味が不味くて続けられないという場合はサプリメントや粉状タイプの青汁を利用しても良いでしょう。
また、高齢者になると増えてくる病の中にアルツハイマー病と呼ばれる病がありますが、
この病気はある特定のたんぱく質(アミロイドβ)が脳細胞を破壊し、脳が委縮することで起こります。脳機能が低下すると、認知症の最も顕著な症状である記憶障害が見られるようになります。
記憶障害は、年齢による物忘れと間違われることも多いようですが、実は全く異なります。物忘れはただ単に経験の1部を忘れただけなので、何かしらのヒントですぐに思い出せますが、認知症による記憶障害では、その経験自体を忘れてしまうため、いくらヒントを与えても思い出すことができません。
また、体が元気でアルツハイマーになってしまうと夜間徘徊などの症状があり、世話をする人が大変になります。そのため、できれば周りの人に迷惑をかけないように早いうちからアルツハイマーの予防をしたいものです。
青汁はアルツハイマーの症状にも効果を発揮すると言われており、これは青汁に含まれている葉酸と呼ばれるビタミンの一種が効果を与えるのですが、葉酸にはアルツハイマー病の原因となる特定のたんぱく質(アミロイドβ)の元となる遺伝子が現れるのを抑える働きや、脳の神経細胞や血管にダメージを与える悪玉アミノ酸(ホモシステイン)を減らす働きが認められています。
青汁と認知症予防の意外な関係!葉酸が脳機能を活性化
青汁にはさまざまな効果がありますが、青汁の主成分の1つであるケールの粉末が記憶学習能力の低下を抑える働きがあることが信州大の研究でわかりました。さらに老化抑制効果も期待できると言われ、今後、ますます高まる高齢化社会においては、大変注目を集めています。
信州大学大学院農学研究科
マウスを2つのグループに分け、1つはケールの粉末を混ぜた飼料、もう一方のグループには普通の飼料を与えました。16週間後、両方のマウスを迷路による記憶学習能力の測定を行うと、ケール入りの飼料を食べていたマウスのほうが、よい結果が得られたというわけです。はっきりとした理由は解明されていませんが、おそらく、たんぱく質と深く関わっているようです。
(参考サイト:信州大学「食とアンチエイジング ~ケールの老化抑制効果~」)
また、さまざまな施設で青汁の主要な成分であるビタミン(葉酸やビタミンB12)と認知との関連実験が行われ、うれしい結果が多数報告しています。今回は、その1例をご紹介します。
福井大学
葉酸、ビタミンB12欠乏を示す患者に対し、ビタミン補充療法を行ったところ、認知機能(HDS-R, MMSE)が改善したとされています。
(参考サイト:葉酸・ビタミンB12 欠乏症による認知症発症機序の解明)
どの実験結果からも、ケールや青汁の主要な成分である「葉酸」が認知症と老化によい影響を及ぼすことを証明していることがわかりますね。
ですから、積極的に青汁を飲み、葉酸を補うことも、認知症や老化の予防に役立つのです。
※葉酸は1日に1000μg以上を摂取するのは、摂りすぎとされています。必要以上の摂取は副作用も報告があるため、サプリメントを利用する際は過剰摂取に注意しましょう。
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